夏は何ともないのに、寒くなるとスネや手がカサカサするということはどなたも経験があるかと思います。
でも、大したことないと放置していると、治りにくい疾患に移行することもありますから注意が必要です。
カサカサのかゆみは、「皮脂欠乏性湿疹」と言い、言葉の通り、皮膚の脂が少なくなって発症する湿疹という意味です。皮脂は、皮膚を潤すことで、皮膚のバリアー機能を保ちます。このバリアー機能が損なわれると、少しの刺激にもかゆみを感じ、角質同士の接着が弱まって角質がめくれたり、ひび割れたりします。
特に乾燥しやすい方、かゆみの出やすい方、皮膚の薄い赤ちゃんと、皮脂の分泌が少なくなるお年を召した方が悪化しやすいです。
治療には保湿が一番です。ワセリンなどの油分を含んだ軟膏、またへパリン類似物質や尿素などの水分を引き寄せて保つ成分の外用薬が非常によく効きます。軽い症状の場合はこれだけで十分に治ります。
ところが、かゆみが強い場合は保湿だけでは治らず、逆に保湿剤で刺激を感じたり、症状の悪化をみたりすることがあります。
このようなかゆみの強い場合はかゆみ止め、またはかゆみ止めと保湿剤の混合軟膏が効きます。かゆみ止めはかゆみの程度にふさわしい強さのものが必要で、かゆみに対し、弱いかゆみ止めでは結局治るまでに多くの薬が必要になり、治るまでに時間もかかります。
普段の生活で気をつけることは、お風呂でこすりすぎない、石鹸で皮脂を落としすぎないようにすること。
また、冬の間はお風呂上りにカサカサしやすい所に保湿剤を塗るなどのケアーを続けることが大事です。
症状が悪化しないうちに皮膚科を受診することも重要です。